電子書籍完全ガイド:メリット・デメリットからKindle、Koboなど主要サービス比較まで
電子書籍完全ガイド:メリット・デメリットからKindle、Koboなど主要サービス比較まで

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近年、スマートフォンやタブレットの普及とともに、私たちの読書スタイルも大きく変化してきました。その中心にあるのが「電子書籍」です。
「興味はあるけど、何から始めればいいかわからない」 「紙の本と比べてどう違うの?」 「KindleとかKoboとか、色々あるけどどれがいいの?」
そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、電子書籍の基本的な知識から、メリット・デメリット、そしてAmazon Kindleや楽天Koboをはじめとする主要な電子書籍サービスの特徴、さらには快適な読書のためのデバイス選びまで、網羅的に解説していきます。この記事を読めば、あなたにぴったりのデジタル読書ライフを始めるための一歩が踏み出せるはずです。
1. そもそも電子書籍とは?
電子書籍とは、その名の通り、紙の書籍の内容をデジタルデータ化し、スマートフォン、タブレット、パソコン、専用の電子書籍リーダーなどの電子機器で読めるようにしたものです。「デジタルブック」や「Eブック」とも呼ばれます。
- ファイル形式: 電子書籍にはいくつかのファイル形式がありますが、主に以下のものが使われています。
- EPUB (イーパブ): 国際的な標準規格で、多くの電子書籍ストアやアプリで採用されています。文字サイズやレイアウトを端末に合わせて調整できるリフロー型が特徴です。楽天Koboなどが採用しています。
- MOBI (モビ), AZW (エーゼットダブリュー): Amazon Kindleで主に使用されている形式です。EPUB同様リフロー型ですが、基本的にはKindle端末やKindleアプリでの利用が前提となります。
- PDF (ピーディーエフ): 紙のレイアウトをそのまま再現する形式です。雑誌や図版の多い専門書などで使われることが多いですが、端末によっては文字が小さくて読みにくい場合もあります。
- 読み方: 電子書籍を読むためには、以下のいずれかが必要です。
- スマートフォン/タブレット: 専用の電子書籍アプリ(Kindleアプリ、Koboアプリなど)をインストールして読みます。手軽に始められますが、他の通知などで読書の妨げになることも。
- パソコン: Webブラウザや専用ソフトウェアで読むことができます。大きな画面で読めるのがメリットです。
- 電子書籍リーダー: 読書専用に設計された端末です。目に優しいE Inkスクリーンや長寿命バッテリーが特徴です。(詳しくは後述)
2. ここが便利!電子書籍のメリット
なぜ電子書籍を選ぶ人が増えているのでしょうか?その主なメリットを見ていきましょう。
- 圧倒的な携帯性・省スペース: 最大のメリットは、何百冊、何千冊もの本を手のひらサイズのデバイス一つに収められることです。通勤・通学中はもちろん、旅行先にもたくさんの本を気軽に持っていけます。また、物理的な保管スペースが不要なため、本棚が満杯になる心配もありません。
- いつでもどこでも購入・読書: 読みたいと思った時に、深夜でも早朝でも、インターネット環境さえあればすぐに電子書籍ストアで購入し、ダウンロードして読み始めることができます。書店が閉まっている時間や、近くに書店がない場合でも安心です。
- 読書体験をカスタマイズ: 文字のサイズやフォントの種類、行間、背景色などを自分の好みに合わせて調整できます。視力が弱い方や、特定のフォントが読みにくい方にとっても大きな利点です。また、暗い場所でもバックライト(またはフロントライト)で読むことができます。
- 便利な検索機能: 本の内容全体から特定のキーワードを瞬時に検索できます。調べ物をしたい時や、お気に入りのフレーズをもう一度読みたい時に非常に便利です。
- しおり・ハイライト・メモ機能: 気になった箇所に簡単にしおりを挟んだり、ハイライトを引いたり、メモを残したりできます。これらの情報はクラウドで同期されることが多く、他のデバイスからでも確認できます。
- 辞書連携: 読んでいる途中で分からない単語が出てきても、タップするだけで内蔵辞書やWeb検索で意味を調べられる機能を持つサービスが多いです。語学学習にも役立ちます。
- 紙より安価な場合も: 電子書籍は、印刷費や輸送費、保管費などがかからないため、紙の書籍よりも価格が安く設定されていることがあります。セールやキャンペーンも頻繁に行われています。
- 環境への配慮(?): 紙を使わないため、森林資源の保護に繋がるという側面もあります。ただし、デバイスの製造や電力消費といった別の環境負荷も考慮する必要があります。
3. 知っておきたい電子書籍のデメリット・注意点
便利な電子書籍ですが、デメリットや注意点も理解しておきましょう。
- デバイスとバッテリーが必要: 読むためにはスマートフォンや電子書籍リーダーなどのデバイスが必須です。当然、バッテリーが切れると読めなくなります。
- 目の疲れ(デバイスによる): スマートフォンやタブレットの液晶画面を長時間見続けると、ブルーライトなどの影響で目が疲れやすいと感じる人もいます。ただし、E Inkを採用した電子書籍リーダーはこの点が大幅に軽減されています。
- 所有権の問題: 多くの場合、電子書籍は購入しても「利用権」を得る形となり、サービスが終了した場合などに読めなくなるリスクがゼロではありません(ただし、大手サービスでは通常、ダウンロード済みの書籍は読めるよう配慮されます)。
- 貸し借り・売却ができない: 紙の本のように、友人に気軽に貸したり、読み終わった後に古本として売ったりすることは基本的にできません。
- 読書に集中しにくい(デバイスによる): スマートフォンやタブレットは多機能なため、SNSの通知や他のアプリの誘惑があり、読書に集中しにくい場合があります。
- フォーマット・DRM(デジタル著作権管理): ストアによって採用しているファイル形式やDRMが異なるため、Aストアで購入した本をBストアのアプリや端末で読むことは通常できません。利用するサービスはある程度絞る必要があります。
- 「紙の質感」がない: 紙の手触り、ページをめくる感覚、インクの匂いといった、五感で感じる読書体験を好む方には物足りなく感じるかもしれません。コレクションとしての満足感も得にくい場合があります。
- サービス終了のリスク: 万が一、利用している電子書籍サービスが終了した場合、購入した書籍が読めなくなる可能性があります(前述の通り、大手では配慮されることが多いですが、リスクはゼロではありません)。
4. 主要な電子書籍サービス紹介と比較
日本国内で利用できる主要な電子書籍サービスをいくつかご紹介します。それぞれ特徴があるので、自分の読書スタイルに合ったものを選びましょう。
- Amazon Kindle (アマゾン キンドル)
- 概要: 世界最大手のAmazonが提供する電子書籍サービス。圧倒的な品揃えを誇ります。
- 特徴:
- 専用の電子書籍リーダー「Kindleシリーズ」が豊富(Paperwhite, Oasis, Scribeなど)。
- スマートフォン、タブレット、PC向けの無料Kindleアプリ。
- 読み放題サービス「Kindle Unlimited」(月額制)。
- Amazonプライム会員特典「Prime Reading」(対象書籍が読み放題)。
- 購入した書籍の位置やメモを同期する「Whispersync」機能。
- メリット: 品揃えが非常に多い(特に洋書)、セールやキャンペーンが頻繁、Kindle Unlimitedが魅力的、デバイスの選択肢が多い。
- デメリット: 独自フォーマット(AZW/MOBI)が中心、Amazonアカウントが必須。
[Amazon Kindle ストアはこちら]
- 楽天Kobo (らくてん コボ)
- 概要: 楽天グループが提供する電子書籍サービス。楽天ポイントが貯まる・使えるのが大きな特徴。
- 特徴:
- 専用の電子書籍リーダー「Koboシリーズ」を展開(Libra 2, Clara 2Eなど)。防水モデルも。
- スマートフォン、タブレット、PC向けの無料アプリ。
- 国際標準のEPUB形式を採用。
- 楽天ポイントとの連携(SPU対象になることも)。
- 定期的なクーポン配布やセール。
- メリット: 楽天ポイントが貯まる・使える、EPUB形式採用、防水対応リーダーがある、楽天経済圏ユーザーに有利。
- デメリット: Kindleに比べると、一部ジャンルの品揃えで劣る場合があるという声も。
- BOOK☆WALKER (ブックウォーカー)
- 概要: KADOKAWAグループ直営の電子書籍ストア。マンガ、ライトノベル、角川系書籍に強み。
- 特徴:
- マンガ・ライトノベルの品揃えが非常に豊富。
- 限定特典付きの書籍や先行配信が多い。
- 購入額に応じてコイン還元、ランク制度あり。
- マンガ・雑誌の読み放題プランも提供。
- メリット: マンガ・ラノベ好きには最適、限定コンテンツが多い、セールやコイン還元がお得。
- デメリット: 一般書籍や専門書の品揃えはKindleなどに比べると少ない傾向。
- honto (ホント)
- 概要: 大日本印刷(DNP)が運営し、丸善ジュンク堂書店、文教堂と連携するハイブリッド型総合書店。
- 特徴:
- 電子書籍と紙の書籍(ネット通販)の両方を扱っている。
- 共通のhontoポイントが貯まり、電子・紙の両方で使える。
- 提携書店の在庫検索やポイント利用が可能。
- メリット: 紙の本もよく買う人には便利、ポイントの汎用性が高い、提携書店との連携。
- デメリット: アプリの使い勝手については好みが分かれる可能性。専門書の品揃えに強み。
- その他のサービス(一部)
- ebookjapan (イーブックジャパン): Yahoo!グループ。特にマンガに強く、PayPayとの連携がお得。背表紙表示機能などユニークな機能も。
- DMMブックス: 大規模な初回割引クーポンやセールが特徴的。アダルトコンテンツも扱う。
- コミックシーモア: NTTソルマーレ運営。マンガ特化型で、レンタルや読み放題プランも充実。
- Apple Books: iPhoneやiPadユーザーにはお馴染み。シンプルなインターフェース。
- Google Play ブックス: Androidユーザーに便利。多様なジャンルを扱う。
5. 目に優しく読書に集中!電子書籍リーダーという選択肢
スマートフォンやタブレットでも電子書籍は読めますが、より快適な読書体験を求めるなら「電子書籍リーダー」がおすすめです。
- E Ink (イーインク) スクリーン: 最大の特徴は、紙のような読み心地を実現するE Inkスクリーンです。バックライトではなくフロントライト(画面を前から照らす)方式や、ライトなしのモデルもあり、ブルーライトの発生が少なく目に優しいとされています。直射日光下でも反射が少なく読みやすいのもメリットです。
- 長寿命バッテリー: 消費電力が非常に少ないため、一度の充電で数週間単位で利用できるモデルがほとんどです。
- 読書への集中: SNS通知などがなく、読書専用に設計されているため、 distractions が少なく集中しやすい環境が得られます。
- 軽量・薄型: スマートフォンやタブレットより軽量なモデルが多く、長時間の読書でも手が疲れにくいです。
Kindle PaperwhiteやKobo Libra 2などが人気のモデルです。利用したい電子書籍サービスに合わせて選ぶのが基本となります。
[おすすめ電子書籍リーダーはこちら]
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6. 電子書籍生活の始め方・サービスの選び方
さあ、あなたも電子書籍を始めてみませんか?
- まずはアプリを試してみる: ほとんどの主要サービスは無料のスマホ・タブレットアプリを提供しています。まずは気になるサービスのアプリをいくつかダウンロードし、無料の書籍や試し読みで使い勝手を比較してみましょう。
- 読みたい本のジャンルで選ぶ: マンガやラノベが好きならBOOK☆WALKERやebookjapan、幅広いジャンルを求めるならKindleやKobo、といったように、自分がよく読む本のジャンルが充実しているサービスを選ぶのがおすすめです。
- ポイントやエコシステムで選ぶ: 普段からAmazonをよく利用するならKindle、楽天ポイントを貯めているならKobo、といったように、自分が利用している他のサービスとの連携やポイントプログラムで選ぶのも良いでしょう。
- 読み放題サービスを検討する: たくさんの本を読みたい方は、Kindle Unlimitedのような月額読み放題サービスがお得になる場合があります。対象タイトルを確認してみましょう。
- デバイスを検討する: 読書頻度が高い方、目の疲れが気になる方は、電子書籍リーダーの導入を検討する価値があります。まずはスマホアプリで試してみて、必要性を感じたら購入するのがおすすめです。
まとめ:あなたに合ったデジタル読書を見つけよう
電子書籍は、場所や時間を選ばずに膨大な知識や物語にアクセスできる、現代ならではの便利な読書スタイルです。紙の本にはないメリットがたくさんありますが、一方でデメリットも存在します。
今回ご紹介した各サービスの特徴や、電子書籍リーダーの利点を参考に、ぜひご自身のライフスタイルや読書の好みに合ったサービスやデバイスを見つけて、快適なデジタル読書ライフを楽しんでください。
きっと、新しい本との出会いが、あなたの毎日をより豊かにしてくれるはずです。